星の合図に 誘われて
ぼくは一人で 旅立った
海のさざめく 海岸で
ぼくらが出会った あの場所へ
砂地のざらつきも
昼間の慌しい人ごみも
もう ぼくにはわからない
感じ取れない
ああ こんなぼくを
誰か 悲しむ人はいるのだろうか
地上にいた時は
いつも空ばかり見ていたぼくが
空の住人になった瞬間
大地の方ばかりに目を向けている
哀しい カナシイ
なんという遅滞だろう
今から次の世界へと旅立とうとしているのに
なんという孤独だろう
今から親しかった人達とばかり再会できるというのに
どちらからも引っ張られ
ぼくは 二つに引き裂かれそうな気分になった
ああいっそこのまま
ぼくは 空と大地をつなぐ 雨となりたい
涙と共に大地に降り立っては
空虚と共に天へと昇る 一雫の雨粒となりたい
ぼくは一人で 旅立った
海のさざめく 海岸で
ぼくらが出会った あの場所へ
砂地のざらつきも
昼間の慌しい人ごみも
もう ぼくにはわからない
感じ取れない
ああ こんなぼくを
誰か 悲しむ人はいるのだろうか
地上にいた時は
いつも空ばかり見ていたぼくが
空の住人になった瞬間
大地の方ばかりに目を向けている
哀しい カナシイ
なんという遅滞だろう
今から次の世界へと旅立とうとしているのに
なんという孤独だろう
今から親しかった人達とばかり再会できるというのに
どちらからも引っ張られ
ぼくは 二つに引き裂かれそうな気分になった
ああいっそこのまま
ぼくは 空と大地をつなぐ 雨となりたい
涙と共に大地に降り立っては
空虚と共に天へと昇る 一雫の雨粒となりたい
コメントをみる |

今日と言う日を乗り切れば また一歩私は成長する
そう自分に言い聞かせて 私は頑張ってきていた
それでも どうしようもならない日が来るとは
私の先には 私と同じように傷だらけになりながらも
ゆっくりと静かに突き進んでいる彼の姿が見える
それを見ていると 辛くなってくる
私が
私自身が
そんな時 私は思わず心を放り出し
それを温かく包んでくれる この人へと身を委ねる
夏の朝ぼらけ
浴衣の着崩れをなおそうとして それをやめ
私は縁側から 家の庭をぼんやりと眺める
そして足を崩したまま ゆっくりと目を閉じ
緩やかに団扇を扇ぐ
ふんわりと やんわりと
ぽっかり空いてしまった穴は 二度とふさぐ事はできない
昼間は賑やかな この街の朝の静寂
この場所ですら こういう空間が垣間見れたのだとしても
それが私に何かを思い至らせるものでもない
私は縁側にごろんと 横たわった
はしたない 誰かに見られるかもしれない
一瞬 そういった気持ちもはたらいたが
そういった気持ちも 私の体と共に
さらさらさらと消え去って行くかのように感じていた
何年ぶりだろう 過去の事に思いを馳せるのは
私は初恋の相手の事を思い出していた
夏の田舎町にとって唯一といってもよいイベント
町内花火大会
ドーンという大きな音と共に
煌びやかな かがり火のような
種々の色の点の集まりが表れる時だけ
私とあの人は お互いの顔が見えた
それでも 私は恥ずかしかった事を覚えている
あの人もずっと黙っていた
どうしてあの時 お互いに あんなに積極的になれたのだろう
しばらくぶりに私は不思議に思い さらに思い出してみる
あの時 私は 白地に花をとりあわせた浴衣を着ていた
顔に二つ三つにきびができて あの人に会うまで
とても気になって嫌われないか どきどきしていた
でも 髪をお母さんに念入りに結ってもらって
少し自信がついたから あの日は行けたんだと思う
あれ?
ここまで来て 私は肝心な事に気づいた
あの人の顔を思い出せない
実際 話をすることはあっても
きちんと顔を見合わせる事が殆ど無かったからだろうか
それはあの人も同じはずだ
あの人 きっと 私の顔覚えていないだろうなあ
私は ふふっ と笑った
まるで宝石の無い指輪のような 私の記憶に
やや嘲りをこめただけなのだが
これが 私の記憶に 思わぬ菫の王冠を被せてくれた
ことばだ
あの人の お世辞にも 流暢とは言えない
途切れ途切れのことば その中に
昔の私は何かを感じていたのだろう
そうはっきりと気づいた筈なのに
そのことばをきちんと思い出そうとしても
やっぱり霞の先に見える山のように ぼんやりとしている
でも それがかえって 私の全てをたおやかにした
私は寝転んだまま体をくるりと回転させ 室内を見る
この人は私に背を向けて 静かに寝息を発していた
遠巻きに見るこの人のその姿に 私はどこか可笑しみを覚え
再び ふふっと 笑った
そう自分に言い聞かせて 私は頑張ってきていた
それでも どうしようもならない日が来るとは
私の先には 私と同じように傷だらけになりながらも
ゆっくりと静かに突き進んでいる彼の姿が見える
それを見ていると 辛くなってくる
私が
私自身が
そんな時 私は思わず心を放り出し
それを温かく包んでくれる この人へと身を委ねる
夏の朝ぼらけ
浴衣の着崩れをなおそうとして それをやめ
私は縁側から 家の庭をぼんやりと眺める
そして足を崩したまま ゆっくりと目を閉じ
緩やかに団扇を扇ぐ
ふんわりと やんわりと
ぽっかり空いてしまった穴は 二度とふさぐ事はできない
昼間は賑やかな この街の朝の静寂
この場所ですら こういう空間が垣間見れたのだとしても
それが私に何かを思い至らせるものでもない
私は縁側にごろんと 横たわった
はしたない 誰かに見られるかもしれない
一瞬 そういった気持ちもはたらいたが
そういった気持ちも 私の体と共に
さらさらさらと消え去って行くかのように感じていた
何年ぶりだろう 過去の事に思いを馳せるのは
私は初恋の相手の事を思い出していた
夏の田舎町にとって唯一といってもよいイベント
町内花火大会
ドーンという大きな音と共に
煌びやかな かがり火のような
種々の色の点の集まりが表れる時だけ
私とあの人は お互いの顔が見えた
それでも 私は恥ずかしかった事を覚えている
あの人もずっと黙っていた
どうしてあの時 お互いに あんなに積極的になれたのだろう
しばらくぶりに私は不思議に思い さらに思い出してみる
あの時 私は 白地に花をとりあわせた浴衣を着ていた
顔に二つ三つにきびができて あの人に会うまで
とても気になって嫌われないか どきどきしていた
でも 髪をお母さんに念入りに結ってもらって
少し自信がついたから あの日は行けたんだと思う
あれ?
ここまで来て 私は肝心な事に気づいた
あの人の顔を思い出せない
実際 話をすることはあっても
きちんと顔を見合わせる事が殆ど無かったからだろうか
それはあの人も同じはずだ
あの人 きっと 私の顔覚えていないだろうなあ
私は ふふっ と笑った
まるで宝石の無い指輪のような 私の記憶に
やや嘲りをこめただけなのだが
これが 私の記憶に 思わぬ菫の王冠を被せてくれた
ことばだ
あの人の お世辞にも 流暢とは言えない
途切れ途切れのことば その中に
昔の私は何かを感じていたのだろう
そうはっきりと気づいた筈なのに
そのことばをきちんと思い出そうとしても
やっぱり霞の先に見える山のように ぼんやりとしている
でも それがかえって 私の全てをたおやかにした
私は寝転んだまま体をくるりと回転させ 室内を見る
この人は私に背を向けて 静かに寝息を発していた
遠巻きに見るこの人のその姿に 私はどこか可笑しみを覚え
再び ふふっと 笑った
毎日の嫌な学生生活
僕がいつもポツンとしているのを見て
あいつは よく話しかけてきていた
僕が 悪く思わなかったのは
決して 何かを期待するのでもなく
させるのでもなく
さりげなく 僕に接してくれた事だった
そんなあいつに 好きな子ができた
そんな事には全く興味が無かった僕は
あいつが どういう子を好きになったのか
わからなかったし わかろうともしなかった
ある日の放課後
僕は いつものように 拘束された
この世界から 早く逃れようとしていると
とある女の子から 別棟へと呼び出された
どういう人間なのかはおろか 顔も
いまいち はっきりとした記憶が無い
それなのに 彼女は
どぎまぎしながら手紙を僕に渡し
足早に去っていった
中身は 僕には見る気がしないものだった
それから数日後
あいつも 意を決し 好きな子へ手紙を
送ったようだった
そのせいか 勉強に全く手がつかず
授業中に ちらっと眺めてみると
あさっての方向をずっと眺めていた
その日の最後の授業は別棟で理科の実験だった
遅くなった為 他の人間は放課していた
その途中で 僕は 彼女に出会った
彼女は僕に気づかずに 他の女性と
何かしらの紙を回し読みして
にやにや していた
そして その内の一人が 嘲り笑った
僕は ぞくっとした
遠巻きに見えた その紙は あいつが
書いていた手紙だったからだ
僕は 醜悪な生物を見たかのように
思わず目を背け その場を忌避した
急いで家に帰り 僕は救いを求めるかのように
勉強をし始めた
しかし 全くといって良いほど
それは進まなかった
しばらく 途方に暮れた後
僕は 恐る恐る 彼女からの手紙を
じっくり 見てみることにした
そこには きらびやかで 楽しげな
美辞麗句が並べ立ててあった
そのことが かえって 僕の嫌悪感を
増幅させた
彼女と その友人が いやらしく笑う顔
が思い出される
僕は思わず彼女の手紙を破り去った
翌日
僕はあいつに合わす顔が無かった
何も知らないあいつは いつものように
僕に話しかけてくる
僕は それを拒否した
いや それを受け取る資格が今の僕には
無かった
それから 僕は ふたたび一人になった
今日も こうして屋上から 空を眺めている
晴天の青空は 何にも増して綺麗な姿を見せる
なのに 台風の際の 荒れ果てた姿と言ったら!
いつもは 空の親しみしか憶えていなかった
僕の心に その日から 汚濁した乱雲の空の
姿が映し出されるようになった
僕がいつもポツンとしているのを見て
あいつは よく話しかけてきていた
僕が 悪く思わなかったのは
決して 何かを期待するのでもなく
させるのでもなく
さりげなく 僕に接してくれた事だった
そんなあいつに 好きな子ができた
そんな事には全く興味が無かった僕は
あいつが どういう子を好きになったのか
わからなかったし わかろうともしなかった
ある日の放課後
僕は いつものように 拘束された
この世界から 早く逃れようとしていると
とある女の子から 別棟へと呼び出された
どういう人間なのかはおろか 顔も
いまいち はっきりとした記憶が無い
それなのに 彼女は
どぎまぎしながら手紙を僕に渡し
足早に去っていった
中身は 僕には見る気がしないものだった
それから数日後
あいつも 意を決し 好きな子へ手紙を
送ったようだった
そのせいか 勉強に全く手がつかず
授業中に ちらっと眺めてみると
あさっての方向をずっと眺めていた
その日の最後の授業は別棟で理科の実験だった
遅くなった為 他の人間は放課していた
その途中で 僕は 彼女に出会った
彼女は僕に気づかずに 他の女性と
何かしらの紙を回し読みして
にやにや していた
そして その内の一人が 嘲り笑った
僕は ぞくっとした
遠巻きに見えた その紙は あいつが
書いていた手紙だったからだ
僕は 醜悪な生物を見たかのように
思わず目を背け その場を忌避した
急いで家に帰り 僕は救いを求めるかのように
勉強をし始めた
しかし 全くといって良いほど
それは進まなかった
しばらく 途方に暮れた後
僕は 恐る恐る 彼女からの手紙を
じっくり 見てみることにした
そこには きらびやかで 楽しげな
美辞麗句が並べ立ててあった
そのことが かえって 僕の嫌悪感を
増幅させた
彼女と その友人が いやらしく笑う顔
が思い出される
僕は思わず彼女の手紙を破り去った
翌日
僕はあいつに合わす顔が無かった
何も知らないあいつは いつものように
僕に話しかけてくる
僕は それを拒否した
いや それを受け取る資格が今の僕には
無かった
それから 僕は ふたたび一人になった
今日も こうして屋上から 空を眺めている
晴天の青空は 何にも増して綺麗な姿を見せる
なのに 台風の際の 荒れ果てた姿と言ったら!
いつもは 空の親しみしか憶えていなかった
僕の心に その日から 汚濁した乱雲の空の
姿が映し出されるようになった
くるり くるり くるり
幼子だった彼女は
万華鏡を手で動かしながら
楽しそうに そう呟く
望遠鏡を覗いているかのように
高々とその筒を見上げている
どれ ごらん
僕は 彼女があまりにも
楽しそうにしていたから
夢中にしていたから
思わず一緒に見たくなった
だ〜め みれないもん
万華鏡は一人だけ
その人だけの世界
煌びやかに姿を変える
束の間の幻想世界
そう それは
心象風景のように
他人とは共有できない
孤独の世界
それ故に美しい世界
その頃は よもや彼女が
こういう事になるとは
思いもしなかった
人里離れたサナトリウム
彼女は美しい女性へと
変わっていた
透き通るような美しい肌は
そのまま別空間へと通り抜けそうで
僕はぞっとして僕の肌を見た
僕は その世界へと誘われようもない
血色の良い 卑俗な肌をしている
それがかえって安堵感を引き起こす
あはははは おじさん おじさんだぁれ
彼女は焦点が合わず そういった後
何も無い空を 手で舞った
幽かに 金色の蝶がいるような気がして
僕は 思わず首を振った
あら おじさん おじさんも 見えるの
僕は黙って 彼女の舞を眺める
見続けていると 彼女自身が何か別世界の
生物のように見えてきだす
しかし その思いは ずっと続かなかった
ずっと続くには 僕は年を取りすぎていた
これ…
おみやげ
僕は 古ぼけた真鍮の万華鏡を彼女に差し出す
彼女の喜びようは 大きくなった今でも
昔の面影がありありと見えた
わぁ きれい
長い髪をなびかせて 彼女は体全体で
喜びを表す
その刹那 彼女はぴたりと立ち止まった
あれっ あれっ…
彼女の頬からぽつりぽつりと雫が流れ落ちる
もはや声は期待できない
あるとすれば それは 彼女のすすり泣く音
ただひたすらに沈黙を保ち
彼女は何も無い この個室のベッドに座り
万華鏡を眺めている
ただ この万華鏡だけが 彼女のこれまでの人生を
その真実を 教え始めたのだろう
彼女の涙はとめどなく続いている
僕はゆっくりと 彼女から視線をそらす
そしてかみしめるように目を瞑り
彼女と過ごした過去を思い出す
その中では彼女は 永遠に笑っていたはずだった
しかし 今まさに万華鏡を見ている彼女と
私の中にあった彼女がくるくると混ざり合い
そして 僕の中で モザイクのように
はっきりしなくなった
ああ どうして どうして
万華鏡は一人だけ
その人だけの世界
煌びやかに姿を変える
束の間の幻想世界
そう それは
心象風景のように
他人とは共有できない
孤独の世界
それ故に美しい世界
くるり くるり くるり
伏目がちに頑丈なドアを眺めながら
壊れた鳩時計のように
彼女は同じ言葉を刻み続けていた
幼子だった彼女は
万華鏡を手で動かしながら
楽しそうに そう呟く
望遠鏡を覗いているかのように
高々とその筒を見上げている
どれ ごらん
僕は 彼女があまりにも
楽しそうにしていたから
夢中にしていたから
思わず一緒に見たくなった
だ〜め みれないもん
万華鏡は一人だけ
その人だけの世界
煌びやかに姿を変える
束の間の幻想世界
そう それは
心象風景のように
他人とは共有できない
孤独の世界
それ故に美しい世界
その頃は よもや彼女が
こういう事になるとは
思いもしなかった
人里離れたサナトリウム
彼女は美しい女性へと
変わっていた
透き通るような美しい肌は
そのまま別空間へと通り抜けそうで
僕はぞっとして僕の肌を見た
僕は その世界へと誘われようもない
血色の良い 卑俗な肌をしている
それがかえって安堵感を引き起こす
あはははは おじさん おじさんだぁれ
彼女は焦点が合わず そういった後
何も無い空を 手で舞った
幽かに 金色の蝶がいるような気がして
僕は 思わず首を振った
あら おじさん おじさんも 見えるの
僕は黙って 彼女の舞を眺める
見続けていると 彼女自身が何か別世界の
生物のように見えてきだす
しかし その思いは ずっと続かなかった
ずっと続くには 僕は年を取りすぎていた
これ…
おみやげ
僕は 古ぼけた真鍮の万華鏡を彼女に差し出す
彼女の喜びようは 大きくなった今でも
昔の面影がありありと見えた
わぁ きれい
長い髪をなびかせて 彼女は体全体で
喜びを表す
その刹那 彼女はぴたりと立ち止まった
あれっ あれっ…
彼女の頬からぽつりぽつりと雫が流れ落ちる
もはや声は期待できない
あるとすれば それは 彼女のすすり泣く音
ただひたすらに沈黙を保ち
彼女は何も無い この個室のベッドに座り
万華鏡を眺めている
ただ この万華鏡だけが 彼女のこれまでの人生を
その真実を 教え始めたのだろう
彼女の涙はとめどなく続いている
僕はゆっくりと 彼女から視線をそらす
そしてかみしめるように目を瞑り
彼女と過ごした過去を思い出す
その中では彼女は 永遠に笑っていたはずだった
しかし 今まさに万華鏡を見ている彼女と
私の中にあった彼女がくるくると混ざり合い
そして 僕の中で モザイクのように
はっきりしなくなった
ああ どうして どうして
万華鏡は一人だけ
その人だけの世界
煌びやかに姿を変える
束の間の幻想世界
そう それは
心象風景のように
他人とは共有できない
孤独の世界
それ故に美しい世界
くるり くるり くるり
伏目がちに頑丈なドアを眺めながら
壊れた鳩時計のように
彼女は同じ言葉を刻み続けていた
愚か者と会話をする事
意味も無く笑いを浮かべ話してくる人間
堂々巡りの言ばかりで何の解決も生み出さない輩
自分の相手をして欲しいと頼ってくる浮気者
やたらと正義感を振り回す偽善者
寝た男によって自分の株が上がったと思っている勘違い女
権力を否定しながら大衆という塵芥の集団で権力を創造する没個性者
病気と名乗りすぐ逃走する精神的弱者
これらは何も生み出さない
それどころか自らの充足の為に
母なる自然を破壊しつづける
ああ なんと醜き人間だ
今しがた 最も醜き人間を見てきた
なんと その者はこれらを全て肯定する人間であった
しかもこれら全てを受容する人間だったのだ
「この人間とは」
私を最も忌諱に触れさせる命題を
導かしめた人間の存在に触れた途端、
私はピストルで自らの頭を撃ち抜いた
奴らが私の思想に染まり汚れたくないと言うのと同様に
私も奴らの思想で私という存在を穢したくはない
意味も無く笑いを浮かべ話してくる人間
堂々巡りの言ばかりで何の解決も生み出さない輩
自分の相手をして欲しいと頼ってくる浮気者
やたらと正義感を振り回す偽善者
寝た男によって自分の株が上がったと思っている勘違い女
権力を否定しながら大衆という塵芥の集団で権力を創造する没個性者
病気と名乗りすぐ逃走する精神的弱者
これらは何も生み出さない
それどころか自らの充足の為に
母なる自然を破壊しつづける
ああ なんと醜き人間だ
今しがた 最も醜き人間を見てきた
なんと その者はこれらを全て肯定する人間であった
しかもこれら全てを受容する人間だったのだ
「この人間とは」
私を最も忌諱に触れさせる命題を
導かしめた人間の存在に触れた途端、
私はピストルで自らの頭を撃ち抜いた
奴らが私の思想に染まり汚れたくないと言うのと同様に
私も奴らの思想で私という存在を穢したくはない
コメントをみる |
