Dolls [ドールズ]
2004年10月15日 映画
DVD バンダイビジュアル 2003/03/28 ¥5,250 1本の赤い紐に結ばれ、あてもなくさまよう男(西島秀俊)と女(管野美穂)、迫り来る死期を悟った老境のヤクザ(三橋達也)と彼をひたすら待ち続ける女(松原智恵子)、事故で人気の絶頂から転落したアイドル(深田恭子)と、そんな彼女を慕い続ける孤独な青年(松重勉)…。 北野武監督が、3つの物語を交錯させながら繰り広げていく…。
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いつぞやも書きましたが、今日ひょんなことから改めて見た所、
ますます味わい深い作品といった印象を受けました。
いや、それこそ私は、斜に構えてアカデミック性を出している
映画評論家・批評家の方みたいに、ひねくれていたりレトリック
術に長けているわけでもなく、かといって、ハリウッド映画みた
いな、やかましかったり、他の人に言わせると「泣ける」とか
「感動した!」と某首相ばりのコメントが出てくるものにも、
そりゃ良いとは思いますし、実際私も泣いたり感動したりします
が、何かそれだけで、記憶に残らないんですな。
なんか、スッキリ爽やかカタルシス、んで、それで終わり、み
たいな感じが、「良い!」と思う方にとっては良いのでしょう。
その点、それらの映画のような、気持ちがシャキッと一元化さ
れるものとは、対極にある作品だと思います。何かしらの答えと
いうか、明確な映像空間におけるビジョンに導かれるものが好き
な人にとっては退屈だったり、明確な答えが無い分、色んな感情
が増幅されてきて、何か違和感・不消化感・不気味感をもよおす
のかもしれませんね。
私の周りの人の評価の理由を、私なりに想像するとこんな感
じなんですが…、私だと、なんでこんなに吸い込まれるような、
鈍いようでいてどこか精神が浄玻璃のように危うくも美しい透
明感のある世界で眠くなるの…、という感じなんですな。実際、
深夜に見たら瞬く間に眠気が冷めて、鳥肌の連続でした。それ
こそ、青年時代に、何か感動する映画を見て、今の自分の不甲
斐なさにワナワナ拳を握り締めるかのような…(多分、10人中
9人は、この気持ちをわかってくれない。というか、変人扱い
される…、ちゅうか、されてる…(泣)いいのさ、1人でも語ら
える相手がいれば(痩せ我慢&文系時代を懐古…))
しかし、改めてみると、ちゃんと四季の分れ目となる映像が
ちゃんと織り交ぜてあったんですね。日本は突き放した綺麗さ
がありますな。というより、そのように見せていたのかもしれ
ませんが。
それにしても、男は悲運に斃れ、女は悲劇をしょいこむ、
泣けるじゃござんせんか。でも主人公の二人は最後まで、一緒
に居れた。周囲の人間から見ると、これほどの文字通り堕落は
ないのかもしれないけど、最後まで等しくつながっていられた、
という意味では、二人にとっては倖せ、という言葉も二人を結
んでいた一縷に僅かながら残っていたのかもしれません。
ああ、でも辛いですね、やっぱこういうのを見るのは。自分
の色々な過去が思い出されてきて、ああ、あの時こうしておけ
ば良かった、とか、今更どうにもならないのに、ああ、どうし
ているのかな、あいつは、なんてあれこれ振り返ってしまいま
すね。
って何を語っとるんだ私は。さ、現実・現在へ戻らなきゃ。
それでも未来への希望を信じずにはやってられない身分ですから…。
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いつぞやも書きましたが、今日ひょんなことから改めて見た所、
ますます味わい深い作品といった印象を受けました。
いや、それこそ私は、斜に構えてアカデミック性を出している
映画評論家・批評家の方みたいに、ひねくれていたりレトリック
術に長けているわけでもなく、かといって、ハリウッド映画みた
いな、やかましかったり、他の人に言わせると「泣ける」とか
「感動した!」と某首相ばりのコメントが出てくるものにも、
そりゃ良いとは思いますし、実際私も泣いたり感動したりします
が、何かそれだけで、記憶に残らないんですな。
なんか、スッキリ爽やかカタルシス、んで、それで終わり、み
たいな感じが、「良い!」と思う方にとっては良いのでしょう。
その点、それらの映画のような、気持ちがシャキッと一元化さ
れるものとは、対極にある作品だと思います。何かしらの答えと
いうか、明確な映像空間におけるビジョンに導かれるものが好き
な人にとっては退屈だったり、明確な答えが無い分、色んな感情
が増幅されてきて、何か違和感・不消化感・不気味感をもよおす
のかもしれませんね。
私の周りの人の評価の理由を、私なりに想像するとこんな感
じなんですが…、私だと、なんでこんなに吸い込まれるような、
鈍いようでいてどこか精神が浄玻璃のように危うくも美しい透
明感のある世界で眠くなるの…、という感じなんですな。実際、
深夜に見たら瞬く間に眠気が冷めて、鳥肌の連続でした。それ
こそ、青年時代に、何か感動する映画を見て、今の自分の不甲
斐なさにワナワナ拳を握り締めるかのような…(多分、10人中
9人は、この気持ちをわかってくれない。というか、変人扱い
される…、ちゅうか、されてる…(泣)いいのさ、1人でも語ら
える相手がいれば(痩せ我慢&文系時代を懐古…))
しかし、改めてみると、ちゃんと四季の分れ目となる映像が
ちゃんと織り交ぜてあったんですね。日本は突き放した綺麗さ
がありますな。というより、そのように見せていたのかもしれ
ませんが。
それにしても、男は悲運に斃れ、女は悲劇をしょいこむ、
泣けるじゃござんせんか。でも主人公の二人は最後まで、一緒
に居れた。周囲の人間から見ると、これほどの文字通り堕落は
ないのかもしれないけど、最後まで等しくつながっていられた、
という意味では、二人にとっては倖せ、という言葉も二人を結
んでいた一縷に僅かながら残っていたのかもしれません。
ああ、でも辛いですね、やっぱこういうのを見るのは。自分
の色々な過去が思い出されてきて、ああ、あの時こうしておけ
ば良かった、とか、今更どうにもならないのに、ああ、どうし
ているのかな、あいつは、なんてあれこれ振り返ってしまいま
すね。
って何を語っとるんだ私は。さ、現実・現在へ戻らなきゃ。
それでも未来への希望を信じずにはやってられない身分ですから…。
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