海と毒薬

2004年2月9日 読書
ISBN:4101123020 文庫 遠藤 周作 新潮社 ¥362
 思えば、始めてマジメに見た小説かもしれません。私は、
昔は、小説を読むのが大嫌いな人間(今では考えられん)でし
たが、国語のテストの問題で出てきたり、はたまた、読書感
想文の課題で短い(爆)のは無いか、と思ったら、物凄くうす
っぺらい(失礼)小説があり、「これに決めた!」と思って、
見たのが始まりでした。
 というわけで、高校1年生の時、始めてみたのですが、これ
読んだとき、正直、医者って怖いなぁ、いやだなあと思った
記憶しかありません。ほいで、やっぱり許せませんでしたね、
主人公を、どうしても。今考えると、−世間知らずと言う勿
れ−、純粋だったんだなぁ、この私でも。
 しかし、今は、ヘンに「それぞれの立場」的な相対的な見
方が培われてしまって、ただ単純に「悪」なるものを決め付
けられなくなってしまっちゃいました。ある種、大人びた感
覚を持ったわけですが、どこか物寂しさを覚えますね。

 自分らしさ ってなんなんだろう

 今の私自身、そう思うときがたまにありますが、本編で出
てくる登場人物も、どこか空虚感・喪失感があって、今改め
てみると、また違った感覚で見れるかもしれません。まあ、
どう間違っても、その行為に対して是とすることはありませ
んが。

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